2018年09月24日

冥福???

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冥福をお祈りいたします

ここ数ヶ月の間、数名の著名人の訃報・・・。
その度にテレビ・ラジオ番組のMCが使う常套句です。
通夜・葬儀の弔電の電文にもよく耳にします。
実はこの「冥福を祈る」という言葉はかなり特異な言葉なのです。
「冥福を祈る」という正確な言葉の意味をご存知でしょうか?

冥福というのは「冥土での幸福を願う」という意味の言葉です。

『広辞苑』で「冥土」を引いてみると

    死者の霊魂が迷い行く道。また行きついた暗黒の世界

『仏教辞典』で「冥土」を引いてみると

    死者の霊魂が赴くという地下の世界。
    黄泉(よみ)、冥界などと呼ばれ暗黒のイメージを持つ。

やはり一般的には、死んだら「闇」という感覚は人間の
共通意識なのかもしれません。

つまり「冥福を祈る」というのは、死後、暗黒世界に落ちていることを
前提とした受け止め方なのです。

冥福を祈るというのは

    死んだら冥土といわれる闇の世界に行くけど、
    こちらの娑婆の世界でお参りしたり願ったりするから
    何とか良いところに行って下さい。

という意味です。

生きてるこの世側の人間が頑張ることで、暗黒に落ちた故人に
エールを送る感覚です。

これを一般的には 追善供養 といいます。

浄土真宗は追善供養のお勤めはいたしません。

正直な話
私たちのはたらきで故人がどうにかなるかどうか
誰にもわかりません。
みなさんそんなパワーありますか?
私にはそんなパワーは持ち合わせておりません。
私の周囲にもそんな方は一切いません。

仮に持ってる人はそれでいいんですけど、
お勤めしたらその功徳で良いところに行けますよ・・・。
そんな無責任なことは私には言えません。

しかし間違いなく言えることはひとつあります。
それは先祖がいたからこそ今の私達のいのちがあるということ。

浄土真宗の故人の受け止め方

浄土真宗では亡くなられた方を、阿弥陀仏のはたらきによって
ただちに浄土に生まれられた仏さまであると受け止めます。

したがって暗闇の冥土とか地獄にいくような存在ではありません。
ご先祖は光の満ちた浄土という世界に生まれられた仏さまである。
このように受け止めますので「冥福を祈る」という、

    真っ暗闇の世界、冥土で幸せになってく下さいね、
    こちらから応援するよ!

という考え方は“やっぱり何かへん”ということになるのです。

ここだけの話、葬儀にお勤めしている浄土真宗の僧侶は
弔電の中で「冥福を祈る」という言葉が読み上げられると

    ん〜浄土真宗のご門徒の葬儀にに「冥福を祈る」は
    ちょっと違和感があるなあ・・・。

特に指摘はしないかもしれませんが、大抵の僧侶が聞きながら
モヤモヤしています。
(住職によっては注意する人もいるかも・・・。)

まあこれは「冥福を祈る」という言葉の意味と、
浄土真宗がどういう考え方なのかを知らずに
使っているのだということは僧侶側も承知の上です。

どうせなら適切な言葉の表現をしたいものです。
訃報に際し、故人やそのご家族に何とか感謝の心や悼む心を伝えたい。
そんな素直な気持ちを何か言葉にして伝えるためには
「冥福を祈る」という言葉以外の表現も知っておくことが大事です。

ただ私は浄土真宗の僧侶の立場で書いていますので、
いろいろご意見もあるかもしれません。
もちろん「冥福を祈る」は他宗派では使っても
問題ないところもあります。

やはりそれは故人をどう受け止めるのかの違いでしょう。
ということで、どこでも使える表現方法をご紹介します。

●謹んでお悔やみ申し上げます。
●謹んで哀悼の意を表します。

この2つの表現は浄土真宗で使っても適切で、
またどの宗派でも違和感がないだろうと思います。

ここで考えておきたい大切なことはお別れの時間を
大切にすることです。
ご縁のある方が故人を偲び、きちんとお別れする時間を
確保するのが第一です。

どうせなら人生節目の場面を大切に過ごすためにも
言葉の意味を知って使ったほうが良いと思います。
弔電を送る際、またお悔やみの言葉を伝える時には
先に紹介したような表現を使われると誤解なく
お悔やみの心を伝えられるのではないでしょうか。

追而

仏式の葬儀で使わない方がいい言葉

天国に召される→浄土に往生される
ご霊前→ご仏前
草葉のかげ×
安らかに眠る×

                  南無阿弥陀仏
posted by 正 at 13:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教
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