2018年08月08日

お布施

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毎日厳しい暑さが続いておりますが、皆さま如何お過ごしでしょうか?

8月に入り関西においては来週から、いわゆる“お盆”の時季に突入します。
年々分散化しているものの国民大移動が始まることでしょう。
普段疎遠になっている方々であってもこの時季にはお墓参りをはじめ
仏縁に遇って下さる方もおられることでしょう。

そしてこの時期に合わせて何かとお寺へのお尋ね・相談ごとが寄せらる
ことが増えてきます。

お盆参り、お墓のお供物や相続、お仏壇のお飾りなど・・・
そんなお尋ねごとの中でシーズン問わず多いのは「お布施」に関してです。

先日、ある葬送儀礼業者のサイトを目にして愕然と・・・
「お布施」の説明に以下の趣旨のような内容が記されていました。

   お布施とは、お葬式をあげた際にお経を読んでいただいた僧侶に
   お渡しする「お金」のことを言います。
   昨今は、葬儀料金に含まれている場合が増えてきておりますので
   取りまとめて弊社にお支払い下さい。

具体的な金額の表示は致しませんが、お布施の金額がはっきりと
明示されそれ以外にもちょっとひどい内容でした。

ここで今一度「お布施」に関する本来の意味と社会一般的な概念とを
整理してみたいと思います。

お布施について納得できないことが多いので、一部からは「坊主丸儲け」
揶揄された言葉を耳にすることもあります。

「お布施」とはそもそも何?

僧侶に差し出す金封の表書きに「御布施」と書きます。
しかしお布施が何なのかを知らずに「お布施」を使っているので、
僧侶に渡している金や物などが、おそらく僧侶に対する報酬として
勘違いされているのではないでしょうか。

「お布施」とは布施行、単純に言えば、仏教における修行の一種です。
また布施行には主に法施(ほうせ)•財施(ざいせ)•無畏施(むいせ)の
3種類があります。

さて僧侶が仏事でお経を唱え法話するのは、仏さまの金言・教えを参詣者と共有し、
伝え広める行為を法施といいます。
つまり僧侶は、お参りをすることで法施というお布施をしているのです。

一方参詣者ができるのは財施という修行です。

財施 というのは金銭や物品を施すということです。
今の時代は現金が一般的が財産という言葉はお金だけをさしているわけでは
ありません。
この財施を皆様が僧侶に「お布施」と記して手渡しているのです。

つまり財施と法施という布施行のやり取りのことなのです。
それではなぜ、財施(お布施)を僧侶に渡すのか?

それは仏法を頂いたことに対する感謝として仏さまに布施行をしているのです。
仏さまのご恩に報恩報謝しているのです。
したがって布施行というのは人によって程度が異なるので決まった
ものがありません。
そして布施と仏法を頂いている人が修める行のひとつですので
財施もしていくのです。

そしてそれはこのお布施が布施行のやり取りであるため、僧侶が財施を
お寺のご本尊にお供えするために預かっているのです。

ですから、僧侶がお布施を頂くのは、お勤めの対価・見返りではなく、
財施をする人が仏さまに行をするために、手次ぎ寺が財を受け取って
いるということなのです。

ここでまた多くの方の誤解があります。
「お寺のご本尊にお供えする(納める)と言っても結局はお寺の人、
すなわち住職(僧侶)のお金や物になっているのでは・・・」と。
それは間違いで、お寺(宗教法人)のお金になるのです。
故に「いつどこそこに何のお勤めでお参りをし、いくらのお布施を
お預かりしたのか」を正しく帳簿に記しているのです。
住職(僧侶)はお布施で生活しているのではなく、宗教法人から
決まった給料で生活しているのです。

宗教法人のお金は、住職または寺族(住職の家族)は個人的な理由では
使えません。
これはお寺のお金ですので、お寺の護持・運営などに使われていくのです。
因みに当然ながら、住職も皆さんと同じように様々な税金を納めています。

お寺はご門信徒の皆さま、有縁の皆さまから布施という形でお寺への
懇志をお預かりしております。
その財物というのはあくまでも、手次ぎ寺の護持運営に使われていくものです。

そして皆さまが僧侶に手渡しているお布施とは、財施という行の一つで、
僧侶のする法施とのやり取りであります。
そして僧侶は仏さまにしている財施をお預かりしているだけです。

先述のとおり、くれぐれもお尋ね・相談ごとは相手を間違わないように!
多業種の仏事相談サイトを目にしますが、なんとでたらめが多いことか。

間違っても「お布施」は僧侶の報酬・対価ではありませんので。

南無阿弥陀仏



posted by 正 at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教
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